人に騙されないようにするためには言葉を観察することが大切です。
しかし、明らかに矛盾することを言っていたら、それはわかりやすいのですが、人を騙す人はもっと巧妙です。
じゃあ、どうすればよいのかというと、言葉の小さな違和感を見落とさないことです。
例えば、こんな見出しのニュースがYahooのトップページに出ていました。
※これは人を騙す記事だということではありません。ただ、言葉の違和感として引用させてもらっています。
「セルフ給油 勝手に止まる理由」
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6329382
短い記事なので一度読んでいただけたらと思いますが、記事中ほどを引用します。
セルフ式スタンドで給油するときに、まだ満タンには程遠い状態にもかかわらず、吹きこぼれ防止のオートストップがかかってなかなか給油できない状態に陥ることがあります。
何度やってもスムーズに給油できないときはイラっとしてしまいますが、なぜ勝手に止まってしまうのでしょうか。
これ、とてもおかしな文章です。
なぜかというと、この記事は、タイトルから「セルフ給油の給油ノズルはなぜ勝手に給油が止まってしまうのか」という趣旨だと思いますが、その理由は
「吹きこぼれ防止のオートストップがかかってなかなか給油できない状態に陥ることがあります。」
吹きこぼれ防止だと自分ですでに書いています。
それなのに、「なぜ勝手に止まってしまうのでしょうか。」と続けています。すでに一行上で言ったことをまるで忘れてしまっているかのようです。
そして、当然、このあとに続く下の文章は、給油ノズルが勝手に止まる「理由」は書かれていません。
書かれているのは、給油ノズルが自動で止まる「仕組み」の説明です。
この方は別に悪意を持って書いているわけではないので、それを非難しているわけではありません。
ただ、人を騙す人って、こういう言葉の構造になっていることがとても多いです。というのも、自分の言いたいことを通すため都合の良い言葉を持ってくるんです。
だから、主張の内容が統一されていないんです。
もし、なにか商売で物や事を勧めてくる人がいて、そういった違和感を感じた際には、冷静になって考えてみるといいと思います。詐欺などの場合も当然ですが、その人に悪意がなかったとしても、フタをあけてみたら「そんなはずじゃなかった」というようなことになってしまいかねません。
ただ、あくまでこれは言葉に対してです。
騙されるのを恐れ、人を信じないと決めるようでは良くありません。
人を判断するのではなく、ただ純粋にその人の「言葉」を判断していく。
それが大切です。
また、そうすることで、人の見た目や地位などに判断を左右されることもなくなります。
言葉は心や性格の構成要素ですから、
言葉だけを完全に取り繕うことはできません。
芯がなければかならずどこかでほころんできます。
そういったところを見つけられるようになっていきたいですね^^